心理学

退屈は、創造力を育ててくれる

2023年9月1日 公開

退屈することは大切です。でも、今の暮らしはそれをとても難しくしています。ちょっと自分に聞いてみてください。今日、退屈した瞬間はありましたか。答えが「いいえ」でも、あなただけではありません。実際、多くの人は、仕事や家族やそのほかのあれこれで忙しすぎて、退屈してじっとしている余裕なんてない、と言うでしょう。そのうえ、ほんの少し退屈しかけた貴重な瞬間には、デジタル機器が私たちを引きとめてくれます。人によっては、毎日がエンドルフィンの絶え間ない連続で、脳はそれを喜んでいる。いえ、渇望してすらいます。この途切れることのない注意の高速道路が、なぜ問題なのかをお話しします。

短くなる集中力

世代が変わるごとに、私たちの集中力は短くなっているようです。そして科学もそれを裏づけています。1990年〜2000年ごろに生まれたミレニアル世代の平均的な集中の持続時間は、およそ12秒とされています。より新しいZ世代では、この数字はさらに短く、わずか8秒です。ただ、これは必ずしも問題とは限りませんし、ありがたいことに、注意力も集中力も鍛えられます。退屈すること、じっとしていることは、集中の持続時間を伸ばす練習になってくれます。

弱みと、強み

集中の持続時間が短くなっている背景には、いくつもの画面を同時に扱い、脳のために次のドーパミンを絶えず探している、という事情があります。10代の子どもたちはテレビとノートパソコンとスマートフォンを行き来し、外で過ごす時間や、ただ退屈している時間は減っています。これは問題でしょうか。

もしかすると、問題ではないのかもしれません。でも、最後に何か思いつきで行動したのはいつだったか、思い出してみてください。あるいは、アイデアが頭のなかを行き交うような、創造力があふれる感覚を最後に味わったのは。いちばんいいアイデアがお風呂で浮かびやすいのには、ちゃんと理由があります。よく知られた複数の研究が、リラックスしているときこそ、内なる創造性が引き出されることを示しています。

うれしいことに、どちらか一方を選ぶ必要はありません。ときどき体をゆるめて、内側の創造性を解き放ってあげてください。そして同じように、頭を切り替える時間も持ちましょう。現代社会が求める、密度の高い情報をさばき続けるために。だからこそ、ときには退屈すること。これは心に留めておきたい、大切な教えなのです。

今日はどうぞ、気持ちよく退屈してください。そのあとは、あふれ出す創造力を思いきり楽しんで。

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