心理学

空っぽで疲れきった感じから抜け出すには

2023年5月4日 公開

部屋の反対側でよく見かける光景です。30代くらいの人たちが集まって、幸せそうに、生き生きと話しています。子どもを持つ話、昇進を勝ち取った話、湖のそばの家で旧友と過ごした素敵な週末の話。そちらを見ていると、彼らの笑顔がどんどん大きく広がっていくのがわかります。人が楽しそうにしているのを見るのが嫌なわけではありません。そんなふうに感じられる彼らを、うらんでいるわけでもありません。ただ、自分はそう感じられない。それどころか、わくわくしたり、満たされたり、生きている実感を持ったりしたのは、もうずいぶん前のことです。うつというわけではない、と自分に言い聞かせてきました。ストレスでも、不安でもない。ひとことで言うなら、空気の抜けてしまった風船のような感じ、でしょうか。

疲れきったまま、人生に沈んだままでいる必要はありません。とはいえ、「そうしないでおこう」と選べるものでもありません。これはよくある心の状態ですが、その解決策は、ギアを入れ替えることでも、いきなり「あちら側の人たち」のように振る舞い始めることでもありません。もう一度、生きている実感を取り戻し、人生が次に投げてくる変化球にも向き合えるようになるためのヒントを、いくつかご紹介します。

退屈することを、自分に許す

人生を味わうことは、退屈を感じることでもあります。退屈になってはじめて、脳は力を抜き、その日に集めた情報を整理できます。いちばん良いアイデアが生まれるのはたいていこのときで、そのあとには本当にくつろいだ感覚が残ります。それなのに、どうして私たちはこんなに退屈を怖がるのでしょう。たしかに、Netflix をつけて新しいドラマを探すのは簡単です。私たちは、脳にとっての「砂糖」のような刺激を、絶えず求めるようにできています。でも、そこはあえて聞き流してみてください。自分から動ける、満ち足りた人生への第一歩は、用事と気晴らしという糖分の高まりから、自分を切り離すことを許してあげることだからです。それが難しいなら、いっそ予定表に「退屈な2時間」を入れてしまうのはどうでしょう。最後には、その価値がきっとわかります。

何に心が動くかを、書きとめる

2つめのヒントは、自分の感情を記録することです。よくあるやり方は、日記をつけることや、ムードトラッカーやデジタル日記のようなメンタルヘルスのアプリを使うことです。目指すのは、喜びや幸せをもたらしてくれる活動に、その場で気づけるようになることです。これは、気力が尽きていて、何かに心を動かされるのが難しいときこそ大切になります。自分に効く活動が見つかったら、その感覚に触れる機会を意識して増やしてみてください。「生きるために働く」という言葉がありますが、人生に心がすり減っているときには、まさにこの言葉が当てはまります。

「新しい聞き手を見つける」

もちろん、意識して取り組むことでずいぶん先まで進めますし、それで状況が変わることもあります。それでも、あなたのことを本当に大切に思ってくれる友人や家族にまさるものはありません。自分の気持ちを誰かに言葉にするだけで、すっと肩の力が抜けます。抱えていた問題が、外に出るからです。認めることが回復への第一歩だとすれば、助けを見つけることは、間違いなくその第二歩です。

振り返りを習慣にする

安心できるプライベートな場所で、振り返りの質問に答えてみてください。振り返りの質問は、自分の人生や、いま置かれている状況について考えるための、答えの決まっていない問いです。心の状態に気づくことは、回復に向かうとても大切な一歩です。たとえば、自分を取り巻く環境や、友人のある振る舞いが、ネガティブな気持ちの一因になっていた、と気づくかもしれません。振り返りは、その根っこにあるものを見つける助けになります。そして、空っぽな感じを本当に変えられるのは、そこからだけです。

この記事が、心の健康に向けて意識的な一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。内側からどう感じているかは、私たちの健康にとってとても大切です。心の状態が良くないと、燃え尽きや、体の不調にまでつながることがあります。反対に、幸せを感じているときは心拍数が下がり、人生を思いきり味わえるようになります。幸せな人生を送るチャンスは一度きり。だとしたら、その一度を大切にして、心の健やかさのために少しだけ手をかけてみませんか。

Luci — ホーム

Luci

あなたのメンタルヘルスの歩みに、そっと光を。

App Store で Luci をダウンロードGoogle Play で Luci を入手